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舞台『瞑るおおかみ黒き鴨』観劇レポート!!

瞑るおおかみ
斉藤一役:青木玄徳


 2015年公演の「もののふ白き虎」の反響からはじまった「もののふシリーズ」第2弾『瞑るおおかみ黒き鴨』が天王洲 銀河劇場にて開幕した。

 舞台は新政府軍と旧薩摩藩士族の間で起こった日本国内最大の内戦・西南戦争。その戦いの発端となった西郷隆盛と大久保利通に忠誠を誓う熱き男たちの物語となる。 去る戊辰戦争を回想しながら、かつての新撰組や会津藩、薩摩藩、長州藩にそれぞれ焦点を当てながら物語は進んでいく。

 主演の斉藤一を演じるのは、『ミュージカル・テニスの王子様』の跡部景吾役で人気を博し、12月に『パタリロ!』のバンコラン役を控えている青木玄徳。2.5次元舞台の印象が強いが、 本作では実在の人物を演じ、自身初となる座長を務め上げた。クールでつかみどころがないときもあるが、感情に素直な人間臭さが滲み出ていて、観ているものが親しみやすい斉藤一という印象を受けた。
 その他にも、中村半次郎を演じた松田凌、佐川官兵衛を演じた鈴木勝吾、山川浩を演じた早乙女友貴などの若手俳優陣の出演で、気難しい明治時代の男たちを熱く演じきり、女性客を魅了した。

 2000手を超える量とスピードの殺陣。これほどまでに動き回る舞台にも関わらず、人間ドラマが繊細に描かれている内容となった。戦争の真っ只中に生きる人たちの物語ではあるが、 時折出る舞台ならではのユーモアは、苦しい時代を生き抜いてきた彼らの人間らしさを描く演出だった。


 未来が過去と繋がり、過去が未来と繋がっていく。キャストのその時々での感情がなんとも繊細で、 その時代を生きない我々にもすっと旨に入っていくものがある。 今の時代には決して見ることの出来ない、命よりも大切なもののために、命を懸ける彼らの生き様は、 女性が観ても胸に熱いものを感じるだろう。 キャストの力強さを感じられる2時間50分の大舞台になった。
舞台『瞑るおおかみ黒き鴨』は、9月11日まで。

 

INFOMATION

●公演概要

作・演出:西田大輔

出演:
斉藤一 役/青木玄徳
佐川官兵衛 役/鈴木勝吾、山川浩 役/早乙女友貴、村田新八 役/斉藤秀翼、大山巌 役/佐伯大地、別府晋介 役/伊崎龍次郎
山懸有朋 役/内海光司、島田魁 役/林田航平、さき役/山谷花純、松平容保 役/村田洋二郎、西郷隆盛役/長友光弘(響)
中村半次郎 役/松田 凌、土方歳三 役/荒木宏文

日程:
2016年9月1日(木)~11日(日) 天王洲 銀河劇場

公式サイト: http://www.mononofu-stage.com/

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